器(上演延期)





ゆるしたかった
ゆるせなかった
そんなわたしを
ゆるしてほしかった

"愛することはゆるすこと"なら
わたしはあなたを愛せないのか




2020年10月に予定していた上演は無期延期となりました。
それに伴い行った「思索と試作」の成果発表はこちらから。






小市民劇場×いいへんじ
『器』


日程
2020年
10月23日(金)~10月26日(月)



会場
早稲田小劇場どらま館

〒169-0071
東京都新宿区戸塚町1-101-3
東京メトロ東西線 早稲田駅 徒歩5分
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作・演出
中島梓織(いいへんじ)



出演
松浦みる
飯尾朋花
小澤南穂子
(以上、いいへんじ)
石川和大(楽市楽座)
竹内蓮(劇団スポーツ)
西野茜
箕西祥樹(劇団木霊)
宮地洸成(マチルダアパルトマン/DULL-COLORED POP)


スタッフ
ドラマトゥルク:鈴木南音(ぺぺぺの会)
演出助手:谷口瑛美
舞台監督:増田悠梨
舞台監督補佐:瀧口さくら
舞台美術:垣花恵利奈(さわら小學校)
舞台美術補佐:犬飼朋花(さわら小學校)
照明:早野陵
照明補佐:伊藤柚(しらすの夕立ち)
音響:大嵜逸生
音響補佐:川口莉央
音楽:野木青依・Vegetable Record
映像・キービジュアル:工藤葵
宣伝美術:たかはしともや(Moratorium Pants)
運営:田中遥
運営補佐:旦部遥奈
制作協力:石本秀一
企画製作:いいへんじ



お問い合わせ
good.response.2016@gmail.com

HP:https://ii-hen-ji.amebaownd.com
Twitter:@ii_hen_ji
Instagram:@ii_hen_ji


関連企画
MONTHLY MAKING PREPARATIONS

― #1 いいへんじの「現在地」をたしかめる(2020年5月25日 更新)
― #2 目には見えない「死にたみ」を見つめてみる(2020年6月22日 更新)
― #3 星野概念さんと「心地よさ」について考える(2020年8月13日 更新)
― #4 AYAさんと「こうあるべき」に向き合う(2020年9月16日 更新)






あらすじにかえて

この文章を書いているのは2020年の3月の終わりです。
今日は季節外れの雪が降っています。そして世界は大変なことになっています。


季節外れの雪が降っているということも、世界が大変なことになっているということも、小さな窓から眺めて知った気になりながら、わたしは、相も変わらず、わたしのことばかりを考えています。部屋に籠って、布団に潜って、ひゅーひゅーする喉のことばかりを気にしながら、めそめそ泣いています。

こういうときは決まって、どうしても許せないことをされた、どうしても許されないことをした、そのふたつが同時に起こってしまった、あの日のことを思い出します。誰かにとってはちっぽけなことでも、わたしにとっては、コップの水が溢れ出す最後の一滴のような出来事でした。

もう、会えなくなってしまいました。会えたとしても、どんな顔をしたらいいのかわかりません。わたしはきっとまた壊れてしまうし、あの人をきっとまた困らせてしまう、と、思います。だから、もう、会えなくなってしまいました。

もう、会えなくなってしまったけれど、会えなくなってしまったなりに、わたしは、ここから、あの人のことを思います。あの日、あの時、わたしたちは、どうなっていたのか、どうしたらよかったのか。

思ったってどうしようもないのかもしれなけれど、あの人のことを忘れてしまったら最後、わたしはこれから誰のことも愛せないような気がするし、どうしようもなく降り続ける雪や、どうしようもなく惑い続ける世界を、ただ「どうしようもない」とあきらめて死んでいくような気がします。

そこに、少しでも抗おうとすることも、ただ、わたしが、わたしのためにすることなのですが、想像する過程を皆さんと共有することが、まったく意味のないことだとは思いません。



作・演出 中島梓織




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