ないことはない|中島梓織




こんばんは、おぺです。


昨日、ひとまず脱稿しまして、稽古場で読み通しをしました。今回は、カラダのなかで起こっていることを中心に描いていくことになりそうです。アタマのなかやココロのなかで起こっていることを中心に描いていたこれまでとはまたちょっとちがった手触りになりそうで、いまからわくわくです。

みるちゃんは今日から出演する『まざまざと夢』の小屋入りなので、本格的に稽古を始めるのは来週から。いろいろ試して、いろいろ話して、みなさんと「もやもや」を共有できるようにカタチにしていけたらと思います。



昨日、稽古が終わったあと、青山ブックセンターで開催されている、生理用品のセレクトシップ 「illuminate」のポップアップストアに行ってきました。


「illuminate」の「より多くの人に、まずは生理用品から、知り・選び・考えることの成功体験を得るキッカケを作る」というプロジェクト理念に共鳴していたのと、(わたしたちも考える「機会」(≒キッカケ)としての演劇作品の上演を目指しています。)『健康観察』で生理のことを取り扱うことにしたのもあって、必ず行こうと決めていたのです。


実際に行ってみて、様々な生理用品やフェミニンケア用品を、手に取って選ぶことができたのが、とてもよかったです。素材や機能はもちろん、パッケージのデザインもこだわられていて、普段ドラッグストアで目にする生理用品のちょっと仰々しい感じはまったくなかったです。かんたんにいえばおしゃれ。まさか、生理用品が販売されている場所や、自分が買ったパンティーライナーとフェミニンウォッシュジェルを、Instagramにアップする日が来るとは!

今回はひとりで行ったのですが、恋人や友人とおしゃべりしながら選ぶことができるような開かれた雰囲気で素晴らしかったです。まだまだ気になる商品がたくさんあったし、次回はだれかと一緒に行ってみたいです。(わたしが個人的に表参道周辺に慣れていなくてびくびくしてしまったのもあります、ので、興味のある方は、ぜひ(泣))



わたしの話になりますが、わたしはいわゆる「稀発月経」です。読んで字のごとく、あんまり生理が来ないです。なので、今回のポップアップストアでも、ナプキンやタンポンではなく、パンティーライナー(おりものシート)を買いました。

三か月に一回来ればいい方で、それ以上来なかったら、念のため、婦人科に行きます。婦人科に行きますが、特に大きな病気が見つかるわけではないので、だいたいはそのまま経過を見ることになります。主な原因は、ホルモンバランスの乱れ、なのだそうですが、正直、十四歳の初潮のときからずっとこうなので、あんまりピンときていません。(ずっと乱れてるってこと?)

生理周期が安定していれば、これくらいに生理が来るから、その前の一週間くらいから調子悪くなるなあ、という予想ができると思うのですが、わたしの場合、それができません。

なんか最近調子悪いな? イライラしたりシクシクしたりなにこれ? 落ち着いてきているはずの不安障害の症状戻ってきてない? ヤバいヤバいヤバいヤバい! と焦っていたら生理が来て、「なんだよPMS(月経前症候群:生理の一・二週間前から起こる心身の不調)だったのかよ!」と、安心するのと同時に「だったらもうちょっとうまくやったのに」という虚しさに襲われる、というお決まりのパターンができつつあり、やりたいことややるべきことに結構支障をきたしているので、どうにかならないかなと、もやもやしています。


というわけで、わたしは、稀発月経による不意打ちPMSにもやもやしているわけですが、これは、あくまで、わたしの話で、もちろん稀発月経にもいろいろあるだろうし、逆に、生理が短い周期で来る、頻発月経もひともいるだろうし、周期は安定していても、生理痛が重かったり、量が多かったり、PMSが辛かったり、PMDD(月経前気分障害:PMSよりも精神的な症状が強く現れる抑うつ障害群のひとつ)に悩んでいたり、生理にまつわるもやもやって、ほんとにいろいろ、いろいろあります。そして、いろいろ「ある」はずなんだけど、あまり、語られることが「ない」ことでもあると思います。

それを、演劇にしたいと思います。



さっきもさらっと書きましたが、『健康観察』では、生理のことを取り扱います。女性の俳優が演じる一人芝居で、カラダとココロの健康について考える、となったときに、生理は、切っても切り離せないものだったのです。語らなければいけない、というよりは、語らずにはいられなかったものだったのです。

そして、生理について、考えていけば考えていくほど、調べていけば調べていくほど、生理現象のなかでも、なかなかに複雑で複雑な社会問題を孕んでいる生理現象であるということもわかってきました。


多様すぎて、複雑すぎて、三十分の短編作品で語りきれるのか?とも、思ったりもしますが、その語り切れなさも含めて、普段はあまり語られることが「ない」こと、普段はあまり語られることがないから、いつのまにか「ない」ことにされてしまっていること、そこにスポットを当てることができたらいいな、と思っています。

だって、ないことはないからね!


見えないものを見ることができるのが演劇だと思うので、いろいろな意味で、その力を発揮できるように、がんばります。



P.S.

いま、少しでも、生理のことで、とりわけ、つらいけど言えないというところで、ちょっとでも、もやもやしているひとがいたら、大丈夫だよ、と、腰をさすさすしてあげたい気持ちです。

「語る/語らない」のどちらを選択するのかは自由ですが、「語ってはいけない」ということはないはずです。だれに言うか、だれに言わないか、言うとしてもじゃあどう言うか、それは全部、あなたが決めていいんだよ、と。

そして、まったくおんなじことを、わたしはわたしに言い聞かせています。三か月ぶりの生理中、腰をさすさすしながら。

ハハッ!セルフ!




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