固いアボカドを食べる|小澤南穂子



初めまして。いいへんじ次回公演『あなたのくつをはく』で演出助手をしております。小澤 南穂子です。おざわなほこと読みます。

なほことか、なほとか、呼ばれております。

最近、「なーさん」って言うあだ名的なものをつけてもらえました。結局そう呼んでくれるのは一人だけですが、「なーさん」と呼んでほしい・・・。初めてのあだ名・・・。

置いといて。


3日前、自分の中の絶対ルールを覆されて、腹が立って苦しくなって、涙が出てきて、という夜を過ごしました。

理由は言えない!さすがに!

だって正直、お前誰!?って感じの気持ちで今いるんだもん!
お前って言われるの嫌ですか?好きな人と嫌いな人いますよね。

私はマジで、どーっでもいい!


「わたし、『お前』っていう人、にがてなんだよねえ」

いや、別に誰でも言うでしょ。

私は「『お前』嫌い」に共感できません。
私のことをどう呼ぼうと、お前の自由。

「でも偉そうで嫌じゃない?ちょっとこわいし。」

「偉そう」とか「こわい」とかは『お前』と言う呼称に付随するのではなく、今君のことを『お前』と呼んだその人の態度なんじゃないだろうか。

・・・・・・・・・・・。

ごめんなさい。
これって実はとってもこわいこと。

「お前嫌い」はきっと想像するよりたくさんいる。今日私が乗った東西線にも、それに怯えて生きている人がたくさんいる。いる。

・・・いる。

まあ、、、いるってことは、、、、知ってますよ、それは。

凝り固まった私のアタマ。

「お前嫌い」理解できない。「お前」はフランクに使いやすい。
「お前嫌い」はだいたい女。そう言う女は何故か、モテる。
「お前」使うのだいたい男。「お前」は男が使う言葉。

この凝り固まったアタマは、ときに他人を傷つけて、そして、自分自身も傷つける。


例えば、「アボカド」

わたしはこの栄養満点のダイエットにもお役立ちな「アボカド」なる食べ物を、「野菜」だと思って食べていました。

でも、実はこれ、「くだもの」なんですよ、「くだもの。」

衝撃が走りました。
みんな「野菜」だって言ってるのに。

この19年間ずっと「野菜」として付き合ってきたのに。
裏切られて、ひどく傷つけられたような、そんな感覚。

ひどいよ、ひどいよアボカド!なんでそんな嘘!なんでそんなことするの!?
「え・・・?何にもしてないよ・・・。こ・・・困っちゃうな〜」
アボカドは困ったように笑った。
「脂肪の塊め・・・」
わたしは追い討ちをかけた。
「栄養満点なのに・・・」

アボカドは泣いてしまって、諦めてしまって、心を閉ざしてしまった。今もアボカドはわたしに背中を向けていて、わたしの中には形の見えない罪悪感が残る。 

アボカドは、何もしていなかった。アボカドは、クスノキ科ワニナシ属のアボカドとして人々の健康をサポートしていただけだった。アボカドは何もしてなくて、わたしが勝手に、「アボカド」=「野菜」と言う枠に閉じ込めてしまっていただけだった。


わたしを傷つけたのは、わたしを裏切ったのは、アボカドじゃなかった。
わたしの「アボカド」脳だった。
わたしの凝り固まったアタマは「アボカド」を他の形で受け入れようとしなかった。

ごめんね、アボカド。


私の中で凝り固まったアタマを少しづつほぐしていく。開いていく。そのうちにアボカドはこっちを向いてくれるし、わたしは「お前嫌い」嫌いじゃなくなる。多分。

絶対ルールは、あってもいいけど、アタマ凝り固まらせては、窮屈で困っちゃいますね。


最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

小澤南穂子でした!


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