アタマとココロをやわらかくする|河内渚



はじめまして。

いいへんじ『あなたのくつをはく』演出助手の河内渚です。

現在テスト期間真っ只中で、まだテストが2つとレポートが3つ残っていて、正直気分が重いです。

でも、稽古は楽しい。しばしテストのことは忘れて、稽古場でメンバーとテーマや登場人物について考えます。

私はパソコンに記録をしているので、発言することは少ないのですが、メンバーがポロっと言った一言にハッと気付かされることがあったり、自分では知り得なかったような他の人の経験をきいてなるほどなぁと思ったりと、アタマもココロもフル回転です。手元はカタカタ、アタマはぐるぐる、ココロはときたまズキズキ、忙しい。でも、楽しい。

思えば、こういうふうに、物事についてじっくり時間をとって考えることって、のびのび遊んでいられた小学生の頃以来、あまりありませんでした。中学生に上がった頃から、勉強勉強勉強勉強。字面が辛い。それも、暗記ばかりで、正確に言うと暗記とその組み合わせで対処できるものばかりで、こういった、物事を熟考する、思考力を伸ばす、みたいな訓練って中高ではほとんどしてこなかったと思います。

人によってはどんな状況下だろうと、自分で考えることを怠らなかったのでしょうが、勉強楽しい、良い点を取れば親は喜ぶ、怒られない、というところで思考停止していた私は、最早自分のアタマで考えるという感覚を忘れてしまいました。

それではいけないと実感として気づいたのは、エンクラに入ってから(頭ではわかっていたんですけど、中々…!)。エンクラはインカレなので、いろんな大学からメンバーが集まります。すると、こんなこと言うとあれなんですけど、(高校が偏差値至上主義みたいなところだったからであって、今はそんなアホな価値観持ってません!!と言い訳をさせてください…!)そんなに偏差値の高くない大学の人でも、すごく頭のいい人がいるということに気づきました。むしろ、自分ってバカだなと。自分のアタマで考えていない、自分の言葉で自分の意見を言えない、そう思って恥ずかしくなりました。

自分で、考えなきゃ、でも、考えるって、何を、どうやって…??

最近、分からないなりに、ようやく少しずつですが、つかめてきました。上演を目的にしないで台本を書く、ということを始めたんです。すると、今まで立ち止まってこなかったようなことに目を向けたり、自分の中の小さな疑問を見つめ直したりするようになって、そこをとっかかりに、どんどん自分の思考が広がっていくんです。そして、脳内でなんとなく考えていることを、言語化することによって、考えがまとまっていくなあと気づきました。そういったことを当たり前に行っている人からしたら、何を今更というかんじなのでしょうが、その感覚を初めて得られたときは、生まれ変わったような気分になりました。

そして、これは体感的なものなのですが、演劇をやっている人って、他人を否定しない人が多いと思います。それって、役や作品を通して、いろんな人や状況に寄り添ったり、それこそいろんな事を考えたりするからなんじゃないかと思います。演劇に限らずなんですけど、世の中の多くの物事って、学校の勉強とかと違って、唯一絶対の正解ってないじゃないですか。それをちゃんとわかってて、そういう考え方もあるよね、と認められる人が多いなあと。なので、とても居心地がいいです。

演劇って、自分と向き合う行為だと思うんです。だから、楽しい。それを通して、自分を少しずつ紐解いていく中で見つけた自分らしさや、自分の感情も、否定せずに、ちゃんと認めてあげたいものです。思っていたより文章が長くなってしまって、だんだん面倒くさくなって、言葉選びや構成が雑になってきた自分も含めて。

ああ、レポート書かなきゃなあ。


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