おしまい|中島梓織
こんばんは、おぺです。
昨日を持ちまして、『夏眠』と『過眠』の全ステージが終了いたしました。
ご来場いただきました皆さま、気にかけていただきました皆さま、関係者、スタッフの皆さま、ほんとうにありがとうございました。
わたしのなかにある「物語」のことを、わたしのなかのあなたのことを、あなたといっしょに考えるのは、ものすごく苦しくて、ものすごく楽しかったです。
ここでいう、あなたは、俳優のことでもあるし、スタッフの皆さまのことでもあるし、観客の皆さまのことでもあるし、輝かしい未来のことでもあるし、懐かしい過去のことでもあるし、それでもやっぱり、隣にいるあなたのことでもありました。
『夏眠』では、わたしのなかのあなたを、あくまでわたしの視点から、わたしはわたしのことしか書けないという前提から、ずっと会いに行きたかったり、ずっと会いに行きたくなかったり、やっぱり会いに行けなかったり、やっぱり会いに行ったり、しました。
会いに行くにも、一旦、「会いに来てよ」って言ってくれるわたしのなかのあなたが必要だったわたしが、これからも大切なことを忘れないための、大切な作品になりました。
『過眠』では、はじめて、わたしの知らないところの話を書きました。わたしの知らないところでは、あなたには、わたしの声は聞こえていなくて、聞こえていないことが、絶望だったりもしたけれど、希望だったりもしたかもしれない。
最後にスギタくんに届いた手紙には、それまでのナツミちゃんには、いままでのわたしには書けなかった言葉がありました。ラブレターは、ひとりで書くもんじゃないんだなって、気づくことができました。
少しずつ、少しずつ、少しずつでいいから、少しずつでしかできないけれど、わたしの話だけではなくて、わたしとあなたの話ができるようになりたい。
わたしは、あなたが思っているよりも、ややこしくて、めんどうくさくて、不器用な人間なので、(ここでいうあなたもわたしのなかのあなたでしかないので、もしかしたら、わたしのことをややこしい人間だとわかっているあなたもいるかもしれませんが、)(こういういいわけみたいなのがめんどうくさくて不器用なところなのですが、)ちょっとずつ、ちょっとずつ、目の前にあることからしか考えられません。
わたしが、目の前のことだけに一生懸命になってしまうことによって、傷つけてしまったあなたもいれば、怒らせてしまったあなたもいました。心配も、迷惑も、たくさんかけてしまいました。ごめんなさいということしかできませんでした。
こんなわたしだから、わたしのことで手一杯のわたしだから、わたしとあなたの話、ましてや、それよりもっとひろくてふかい、社会や世界の話なんて、できないだろう、と思っていたのです。してはいけないだろう、と思っていたのです。
それでも、ちょっとだけ、一歩だけ、足を踏み出して、あなたのことを考えてみようと、わからないということに触れてみようと、『夏眠』と『過眠』を書きました。
終わってしまって、思うのは、もしかしたら、まだまだ、あきらめたくないのかもしれないということです。
わたしとあなたの間にあるもののこと。
わたしとあなたの間にあるもの以外のこと。
あなたと、会って、お話をしながら、いっしょに考えること、いっしょに何かをつくること、あきらめたくないのかもしれないです。
というわけで、まだまだ、ぜんぜん、へたっぴだけど、ちょっとずつ、ちょっとずつ、ちょっとずつでも、強くなって、あなたのことを守れるように、あなたに会いに行けるように、がんばっていくので、がんばって会いに行くので、だから、これからも、あなたには、待っていてもらえたら、うれしいです。それはまことに幸いでございます。みたいな。幸い、でー、、、す。
たくさんの方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。
おしまいとかないですが、とりあえずのおしまいです。
おしまい。
0コメント